博多土産の定番、辛子めんたいこの業界が逆風にさらされている。
売れ行きが伸びているのは切れ子などの徳用品で、長らく収益の柱だった贈答品は
景気低迷で需要が減少。金額ベースでの市場規模はピーク時から3割以上縮小したとの
推計もある。地場メーカーは外食チェーンや百貨店とのタイアップで新規需要の開拓を図るなど、
生き残り戦略を展開している。
◆新メニュー登場
外食チェーン、ウエスト(福岡市)のうどん店に7日、新商品がお目見えした。
老舗ふくや(同)のめんたいこを使った「明太釜玉うどん」(540円)。
両社の共同企画で、メニュー表には辛子めんたいこの生みの親として知られるふくや創業者の写真や、
開発のエピソードを掲載。「伝統ある両社の味のコラボレーション」とうたう。
ふくやと外食チェーンとの共同企画は、スパゲティレストランを展開するピエトロ(同)に次ぎ2例目。
ふくや担当者は「幅広い客層に新たな食べ方を提案できる」と狙いを語り、
販売会社設立を準備する香港でも飲食店との連携を目指す。
◆パイの奪い合い
業界をリードしてきたふくやが新たなファン開拓に励むのはなぜか?
総務省の家計調査によると、たらこ(めんたいこ含む)の100グラム当たりの価格は、
2003年から25%の大幅下落=グラフ参照。贈答用を含む「一本物」に替わり、
料理やおにぎりに使われる「切れ子」「ばら子」と呼ばれる低価格品の普及がうかがえる。
家庭でのたらこ購入量は底堅いものの、単価の落ち込みは業界全体に影を落とし、
帝国データバンク福岡支店の推計によると、市場規模(金額ベース)は05年から5年間で34%縮小した。
コンビニ向けなどに卸すメーカー担当者は「『とにかく安いものを作ってほしい』という
小売店の要望もあり、価格の二極化が進んでいる」と指摘。07年に水産加工品製造の
タケショク(大阪市)が新規参入のため、福岡市に設立しためんたいこ製造の千曲屋は
「薄利多売」を掲げ、売り上げを伸ばしている。
イカソース
http://qbiz.jp/article/25213/1/
辛子めんたいこ業界が競争激化 「高級品と安物の二極化すすむ」
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